醸造業界で活躍する方々の「自分のお気に入りの醸造物・それにまつわる思い出」「醸造にかける想い・抱負」等を綴っていただく『いい醸!』。発表いただいた方の紹介により次回のご担当者が決まるため、意外な繋がりも見えるカモ!
 あなたが発表する日も遠くありません。その際はぜひ思いの丈をぶつけてください。

 更新は毎週月曜日・お昼の12時です!


1月 10 2012

(地独)岩手県工業技術センター
山口佑子

 

ご氏名をお願いします

山口 佑子

 

現在のご所属などは?

地方独立行政法人 岩手県工業技術センター
企画デザイン部 主任専門研究員

 

思い出の醸造物 or 好きな醸造物 or 最近はまっている醸造物などを
一品教えてください

株式会社あさ開「岩手まるだし」(現在製造休止中)

 

その理由やその醸造物にまつわるエピソードをぜひ!

私はH17年から6年間、醸造部門の研究員として岩手県の酒造業界の支援に関わってきました。その間、様々な新商品の開発をお手伝いしましたが、「岩手まるだし」は中でも思い入れのある商品です。

「岩手まるだし」は、1本で出汁と料理酒の両方の役割を果たすものがあったら便利だなあ、という単純な発想から生まれたにごりタイプの出汁酒です。どうせ作るなら全ての素材を岩手県産でやろう!と、開発関係者と共に県内各地の生産者を訪ね、貴重な素材を分けていただきました。文字通り北から南まで歩き、岩手県の広さと素材の豊富さを改めて実感したものです。

「岩手まるだし」の材料は、清酒をベースに様々なものが使われていますが、サンマ節とウニ水というちょっと変わった素材を使っていることも特徴です。この二つは、私がこの仕事で初めて出会ったものでした。美味しい節を作るには脂肪の少ない魚を使うのだそうで、いつも秋に食べるたっぷりと脂ののったサンマとはまったく違うサンマ節の美味しさにびっくり。ウニ水は、昔ながらの製法で塩ウニを作る際に出てくる副産物で、そのクリアな旨みにびっくり。このような素晴らしい素材が岩手にあることに心から感謝しました。

H22年12月に発売後、様々な賞を受賞し、料理にも使いやすいと評判は上々。今年度の製造計画を・・・と考え始めていた矢先、H23年3月11日の東日本大震災が発生しました。「岩手まるだし」の素材製造元の多くが津波で被災したため、現在は製造休止しています。震災からの復興にはまだまだ時間が必要ですが、いつか必ずこの商品を復活できる日が来ると信じています。

 

「岩手まるだし」の写真です。美味しそうなパッケージに仕上がっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ご略歴

S53年岩手県盛岡市生まれ。

H13年岩手大学農学部応用生物学科卒業。

H13年4月岩手県入庁、岩手県工業技術センターに配属。

大豆加工、機能性食品の担当を経てH17年4月からH23年3月まで醸造部門の担当となり、岩手県の酒造業界支援に携わる。

現在は企画部門で知的財産管理の修行中。

 

ご趣味

飲み歩き、酒蔵巡り。最近は老舗大衆酒場に夢中。

 

ご紹介者・尾瀬あきら様からのメッセージ

工業技術センター勤務という生真面目な硬いイメージが結びつかないのは
お会いする場所がいつも居酒屋のせいだからでしょうか。ほんとは酒蔵に指導に行ったり、講義をしたり、微生物の研究から梅酒造りまで、日々走り回っている白衣の先生なのですが、私のイメージは、可愛い浴衣でクイッと呑んでいる「しぇんしぇい」です。盛岡に行ったらまたお酒につきあってください。

 

尾瀬様へメッセージを!

尾瀬先生、ご紹介いただきありがとうございました。お忙しい中、いつも遊んでくださってありがとうございます。酒場ではお恥ずかしいところを見せてばかりですが、私も夜の姿が自分本来の姿なのだと思っています。先生とご一緒すると勉強になることばかりです。また飲み歩きましょう。私が上京したときもどうぞよろしくお付き合いくださいませ。

 

告知などがございましたらお願いします

現在、米・麹菌・清酒酵母の全てが岩手オリジナルの「オールいわて清酒」の開発に取り組んでいます。このお酒を全国に発信することで、震災からの復興に向う岩手県をPRしていきますので、応援よろしくお願いいたします。

 

最後に今後の抱負や期待することを教えて下さい!

美味しい日本酒を造ることだけでなく、食や器との楽しみ方や提供の仕方などを含め、幅広く日本酒文化を応援していきたい。