尿素非生産性高エステル酵母

尿素非生産性高エステル酵母

KArg 1901号

分離源:変異株
分離者:蓮田寛和
分離・実用年:平成26年

本酵母は、1801号(K 1801)から分離した酵母で、カプロン酸エチル高生成、尿素非生産性の清酒用泡なし酵母です。K 1801よりもカプロン酸エチルの香りを抑えて、酸度がやや高くなるため、K 1801よりも濃醇なタイプの酒質となります。また、尿素非生産性酵母であるため、尿素に起因するカルバミン酸エチルの生成がありません。

特徴
・カプロン酸エチルが穏やか(K 1801の約70~80%)
・酢酸イソアミルがK 1801よりも高生成(K 1801の約130~170%)
・酸度がK 1801よりも0.1~0.2ml程度高い
・発酵力は(前半若干遅れ気味な傾向にあるが)K 1801と同程度でK 1801と同様の醪管理が可能
・尿素非生産性のため、ウレアーゼ処理の必要がなく尿素に起因するカルバミン酸エチルの生成がない
・泡なし性

以上の特徴から、本酵母は
・K 1801よりカプロン酸エチル生成を抑えたい
・K 1801より酢酸イソアミルを増やしたい
・K 1801より酸度を増やし味の幅を持たせたい
・K 1801を用いウレアーゼ処理により尿素を分解している
・吟醸香の豊かな輸出用清酒を造りたい
など、様々な場面で使用いただける酵母となっています。

製造上の注意点
・酒母は、速醸もしくは中温速醸が向いています。(高温糖化酒母でも、酒母の製造は可能ですが、この場合、モロミ後半での切れが緩慢になる事があります。)
・酒母の汲水歩合は115~120%前後
・モロミの汲水歩合は130~140%前後(追い水を含めた汲水歩合は150~155%前後)
・追水は、最高ボーメの出方、BMD値を見て実施します。モロミの最高ボーメが高いと香りが出る傾向にありますが、本酵母では最高ボーメは7程度とし、BMD値は50を超えないようにモロミ管理してください。
・最高ボーメが8以上になった場合は、直ちに追水を行うことをお勧めします。追水は、1~2回程度をアルコール10%前後になるまでに実施してください。

ご使用に関しての注意点
・スラント(斜面寒天培地)から酵母を増やす場合は、酒母に添加する前にあらかじめ麹汁培地に接種後、28~30℃で2~3日培養(静置培養の場合は、1日に2~3回撹拌して培養してください)を行い、酒母総米100kgあたり2~3L程度を酒母に添加してください。
・当会で調製した拡大培養を使用する場合は酒母総米150kgあたり500mlのポリ容器の1本を酒母に添加してください。
・酒母の枯らしはできるだけ行わないようにしてください。
・モロミ品温の上下は急激に行わないでください(0.5~1℃/日以内で上下する)
・上槽、オリ引き、脱色ろ過後は速やかに火入れ処理を行い冷暗所(できれば氷温貯蔵)に貯蔵してください。
※ この内容はあくまでも本酵母の標準的な製造方法であり、酒造条件等により大幅に異なる場合があります。

参考文献
日本醸造協会誌 第109巻8号 「きょうかい酵母 清酒用尿素非生産性高エステル酵母1901号(KArg1901)について」

酵母価格(税込)※非会員は正会員価格の2割増しとなります。
賛助会員:54,000円  正会員 :64,800円

スラント ※ご希望の場合のみ。
お申し込み受付から発送までに2週間程度いただいております。契約書、納品書を商品に同封し、請求書は別途郵送いたします。(荷送料無料)

拡大培養 ※契約料金の他に以下の培養料金と荷送料が必要となります
お申し込み受付から2~3週間後の発送となります。契約書、納品書を商品に同封し、請求書は別途郵送いたします。
★ 有効期限は出荷後1週間以内ですので製造計画に合わせてお申込みください。凍結をさけ7℃以下で保存し、氷点下に保存しないようご注意ください。
★500ml単位での販売となり、1本で酒母の総米約150kgまでの使用量です。

単独拡大培養料金(税込)※非会員は正会員価格の2割増しとなります。
1本:6,750円

混合拡大培養料金(税込)
KArg1901とKArg901を混合で1本拡大培養する場合
・KArg1901契約料金:64,800円
・KArg901契約料金:32,400円
・混合拡大培養料金:6,750円×1本=6,750円
・荷送料(1本):1,430円
合計:105,380円

当年度初回以降に、KArg1901とKArg901を混合で1本拡大培養する場合
・混合拡大培養料金:6,750円×1本
・荷送料(1本):1,430円
合計:8,180円

荷送料(税込)
1本につき1,430円・2本以上は1本増す毎に330円を加算

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