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第110巻9号 協会だより

先月の「醸造協会だより」で7月に入ってもなかなかセミの声が聞こえず、サイレントスプリングならぬサイレントサマーではと心配したことを書きましたが、東京では、ニイニイ、アブラ、ミンミン、ツクツクが時間帯の違いはあるものの、賑やかに鳴いています。セミは元来熱帯系の昆虫で、日本より緯度が高いヨーロッパや北アメリカではセミの種類も少なく、また小型で迫力がないので知名度が低いようです。ところで、セミの成虫の寿命は、寿命の短い例えになりますが、自然の状態では1ヶ月程度と言われており、幼虫時代も含めると、種類によっては10年を超え、短命どころか昆虫類でも上位に入る寿命の長さです。子供の頃、セミやトンボを追いかけ回したものにとっては、セミの声が聞こえないと寂しいのですが、最近は騒音のように言われることもあるようです。セミが賑やかに鳴いている間は、暑さも続きますので、くれぐれもご自愛下さい。
 
これも先月ご紹介しました昨年度の事業報告の中で、当会に依頼のありました審査として、IWC審査(ロンドン、4月)、南部杜氏自醸酒鑑評会審査(4月)、全国焼酎鑑評会審査(6月)、Joy of Sake審査(ハワイ、7月)、酒文化研究所審査(7月、2月)、岩手吟醸酒研究会(10月、3月)、埼玉県清酒鑑評会審査(3月)に参加しましたが、、その中から最近開催された、少し目新しいものとして、以下2つを紹介しました。
 
◆第7回「雄町」サミット歓評会 酒類審査
「雄町」は、備前、今の岡山県で、江戸末期から栽培され、古くは「二本草」とも呼ばれていました。以来、酒米としては、唯一単一の品種であり、「山田錦」や「五百万石」の育種親として有名です。その「雄町」も一時期、作付面積(ha)が1桁台になったこともありましたが、近年、次第に人気が高まり、数百haに達しているとのこと。本サミットは、JA岡山が主催し、全量岡山県産「雄町」使用の「吟醸酒」(純米吟醸を含む)及び、「純米酒」が対象で、今回は、「吟醸酒」113点、「純米酒」53点、合計166点が出品されました。審査の結果、優等酒として「吟醸酒」29点、「純米酒」11点が選ばれました。きき酒会で7月30日に一般公開された酒質は、全般に味に幅と旨味が豊かな、「雄町」の特徴が感じられるものが多く、地域の特徴を生かした清酒として、今後の発展に向けたた意気込みが感じられました。
 
◆燗酒コンテスト2015
スローフードジャパン・酒文化研究所が主催する「燗酒コンテスト2015」は、年々出品酒が増加し、今回は633点で、今回から「樽酒」と「古酒」の区分が加わりました。審査の結果、最高金賞31点(平均点上位5%)、金賞150点(平均点上位30%)、合計181点が選ばれました。なお、本コンテストでは、出品料は無料で、入賞酒から3万円、最高金賞酒から5万円を徴収し、開催費に充てられるとのこと。
 
講師等派遣では、以下の研究会等で講演しました。岩手県経済同友会講演会(5月)、滋賀県酒造組合講習会(5月)、清酒上級セミナー(6月)、秋田県酒造組講習会(7月)、南部杜氏講習会(7月)、山内杜氏組合酒造講 習会(8月)、北海道酒造組合夏季酒造講習会(8月)、新潟県酒造従業員技能者表彰式(8月)、能登杜氏組合酒造講習会(8月)、単式蒸留焼酎業技術者研修会(大分、8月)、島根県夏季酒造講習会(9月)、京都市産業技術研究所講演会(9月)、いしかわ コンシュマー・カレッジ講演会(9月)、清酒製造技術講習講義(5,,9月)、新潟清酒研究会(11月)、野田市民講座(11月)、三和酒類講演会(1月)、山梨学講座(2月)、女性 Osake スクール(3月)。