協会だより

第109巻4号 協会だより

4月、卯月。辞典に「卯の花の咲く月の意とも、稲の種を植える 植月(うつき)の意ともいう。」とあり、夏の季語 。本酒造年度の 酒造りはまだ続きますが、いかがでしたでしょうか? 昨年より酒米の溶け具合はよかったとの声が多かったようですが、同じ品種でも産地間の違いが大きく、産地の気象条件が反映しているのでしょうか。最近は、酒類総合研究所の研究成果で、酒造適性に最も影響の大きい蒸米の消化性をでんぷん構造から精度よく推定できるようになり、そのでんぷん構造が気象条件と密接に関連していることから、その年の気象条件によって酒米の酒造適性の予測精度が高くなったことを実感しています。
ところで、日本産酒類の輸出促進という新たな政策課題が動きだし、一方、「和食;日本人の伝統的な食文化」が無形遺産に登録されたことから、日本の伝統醸造産業に一般の方も含めて感心が高まっていることを踏まえ、2月22日に開催のフォーラム「酒食饗宴」と 3月4~7日開催のFOODEX JAPAN 2014 から一部を紹介します。
◆第13回文化資源学フォーラム「酒食饗宴」は、東大院人文社会系研究科文化資源学研究室在籍の院生が主催フォーラムの一環として東京大学弥生キャンパス 弥生講堂アネックスで公開されました。開催趣旨は、
「宴(うたげ)」という言葉を聞いて、みなさんはどのようなイメージを持つでしょうか。「うたげ」という日本語には「手を打って楽しむ」という意味があり、漢字の「饗」は「うたげす」と読んで、「ごちそうの両側に人がひざまずいて向かい合った様」を表しています。「シンポジウム」はギリシャ語で「共に飲むこと」を意味し、プラトンの『饗宴』にみられるように、そこに「討論し楽しむ」が加わりました。つまり、「宴」とはまさに飲食を介して人が向き合い、関係を築く場なのです。「宴」は古代から今日まで世界中で続く、人間にとってなくてはならない営みだといえるでしょう。一方で、わたしたちが生きる現代社会では、孤食や無縁社会など、希薄な人間関係が問題となってきています。いま、「宴」=ハレの日の共食を見直すことで、こうした状況に光があたるのではないでしょうか。プログラムは、学生発表「宴のかたち」、綿抜豊昭 講演「加賀藩の饗応料理」、伊藤文彰 講演「フレンチレストランで宴を創る」、山本洋子 講演「米の酒を囲む宴 農、水、山をつなぐ」、以上の演者によるシンポジウム「文化としての宴―思いを込める食、わかちあう食―」、シンポジウム後、酒食饗宴 実践編が行われたが残念ながら欠席。詳細は研究科のHPをご覧下さい。
◆第39回国際食品・飲料展 FOODEX JAPAN 2014は、経営革新を目指す中小企業・ベンチャー企業が自ら製造、開発した新製品、サービス、技術等を一堂に会し 展示することにより販路開拓、市場創出、業務提携といったビジネスを目的とし、また、海外への販路開拓に向けた中小企業の取り組みを支援し、海外展開を図る中小企業の裾野の拡大に貢献するとあり、今回は75,766人の参加がありました。酒類関連の出店では、酒造組合中央会の「本格焼酎&泡盛」ブースが展示場所がよく、デザインも見事で盛り上がりを見せていました(スナップ写真)。清酒については、企業単位のブースと、近年の地域産業の活性化の動きを反映し、都道府県単位のブース中に出店され、地域産品とよく調和して入店者も多かったように感じました。