協会だより

第109巻11号 協会だより

10月1日の「日本酒の日」から新しい酒造年度が始まり、燗酒の美味しい季節とともに清酒製造が最盛期に入ります。前号「醸造協会だより」で心配しました野菜価格の高騰は続いていますが、稲作は全国平均101でやや良に落ち着いたようです。ただ、日照不足に見舞われた西日本は不良のところが散見されます。そのため、高温障害の影響は少なかったようですが、酒米の消化性は、平年並かやや溶けやすいのでしょうか、今後の酒米統一分析結果が待たれます。この時期、お酒に関する行事が多い中、10月1日に開催の「日本酒で乾杯推進会議」の紹介から始めてみました。
 
◆日本酒で乾杯推進会議「第11回総会・フォーラム」は、基調講演の東京大学副学長 西村 幸夫氏による「ユネスコ世界文化遺産と無形文化遺産のこれまでとこれから」は、昨年12月4日、「和食;日本人の伝統的な食文化」が、無形遺産に登録された経緯と、今後の無形遺産登録の可能性に関する興味深い内容でした。その後、テーマ「祭りと酒菜(さかな)」について、コーディネーターに民俗学者 神崎宣武氏、パネラーとして、料亭「青柳」小山裕久氏、女優 浜 美枝氏、京都大学教授 伏木 亨氏によるディスカッションが繰り広げられました。奈良時代から室町時代には「酒のつまみ」を意味していた「酒菜(さかな)」、現在は「魚」ですが、それぞれの立場で「祭りと酒菜」に対する見解が異なって興味深い討論会でした。上の写真は、フォーラム終了後、懇親会の開催を宣言する”鏡開き”の模様です。

 
◆平成26年度日本醸造学会大会が10月7・8日の両日、東京都北区・北とぴあで開催されました。昨年も大型台風に翻弄されましたが、本年も大会直前に大型台風18号が関東を直撃しました。幸い、前日中に全速力で通り過ぎましたので、予定どおりに開催することができました。今年度の大会は、学会参加者253(前年245)名、一般講演申込み35(24)題、懇親会参加者146(133)名と昨年実績を上回りましたが、一般講演の発表分野に幾分偏りが見られました。特別講演は、理化学研究所 脳科学総合研究センター 吉原吉浩氏による「匂い受容から嗅覚行動へと至る神経回路メカニズムの解明へ向けて」が、複雑な仕組みを分かり易くお話しいただきました。なお、8・9日には日本醸造学会「若手の会」シンポジウムが開催されましたが、詳細はそちらのHPをご覧下さい。
 
◆話題は遡りますが、9月18日に開催されました第11回 清酒・焼酎製造技術セミナー「焼酎編」で、(独)酒類総合研究所 山田 修氏による講演「泡盛に使用される黒麹菌 Aspergillus luchuensis復活」は、現在「国菌」に認定されている麹菌の内、黒麹菌の分類を改訂することを提案しています。このことに関する解説記事の醸造協会誌への掲載をお願いしておりますので、掲載後、改訂作業を進める予定です。