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第110巻5号 協会だより

緋寒桜に始まり、ソメイヨシノ、ヤマザクラ、花びらが淡いグリーンの御衣黃櫻、枝垂れ櫻、八重の櫻などなどたのしませくれた飛鳥山公園の櫻も昨日の風雨ですっかり散ってしまいました。「和食」文 化の保護・継承 国民会議のメールマガジンに「古来「桜」が咲くと田の神様が山から降りてきた目印とされ、農作業を始める目安になったと伝えられています。そして時を経て平安時代になると、貴族の間でその美しさと儚さが和歌として多く詠まれるようになり、この時代に編纂された「古今和歌集」には、「桜」を読んだ和歌が100首程みられます。」とあり、以降、日本人の心を捉え続けています。
飛鳥山公園の櫻

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
◆第9回(2015年)国際酒文化・科学技術研討会の開催について
第9回国際酒文化・科学技術研討会の開催日程か決定しました。日時:2015年10月11日 登録、12-13日 学会、14日 見学会。開催場所:山西省太原市です。前回、2013年、長沙市での開催には、日本から20名の参加をいただきましたが、今回から、会の名称からお分かりのように、酒文化面により技術面を取り込んだ内容になります。開催案内を作成中で、追ってご案内いたしますが、ご参加いただきたく、予定表に入れておいていただければ幸いです。
 
◆第19回杜氏セミナー(3月24・25日開催)と本年度の酒造状況について
全国新酒鑑評会の審査が始まっているようですが、杜氏セミナーに出品いただきました70点から、本年の製造状況を推定してみました。原料米については、山田錦の不足と品質のバラツキが例年になく大きかったこと、米質は昨年ほど硬くはなく比較的よく溶けたようです。出品いただきました70点の官能評価データ、分析データ、製造データについて相互の関連を解析した結果を纏めてみました。
1)昨年まで、カプロン酸エチルの平均値は下がり、逆にグルコースは高くなっていたが、本年はCapOEtが増加に転じた。2)総合評価に及ぼす要因として使用酒母の種類、醪日数の影響が大きかった。3)総合評価には、香欠点の影響が極めて大きく、欠点の影響を除くとイソブチルアルコール、カプロン酸エチル、酢酸エチル、アミノ酸度、日本酒度の順に影響を及ぼしていた。4)カプロン酸エチルの低い審査区分では、その含量が多い程評価が高く、高い区分では評価に対する影響が低下した。
本年の全国新酒鑑評会出品酒の傾向はいかがでしょうか?
 
◆第101回清酒製造技術セミナーの概要(4月16・17日開催)
始めに、(公財)米穀安定供給確保支援機構 情報部の馬場利紀氏から、~米に関する調査レポートより~「清酒の動向について」では、醸造用玄米の品種ごとの検査数量推移が、平成26年度で大きく増加している興味深い報告があった。また、谷桜酒造(有) 小宮山光彦氏の「米と薩摩芋の新しいお酒」は、薩摩芋の使用割合が10%と少ないにもかかわらず、きき酒で薩摩芋の特徴が出ていた。その他、「我社の貯蔵出荷管理」と題して、出羽桜酒造(株) 今野 賢次氏、「仕込み容器の形状が有機酸生成に及ぼす影響」石川県工業試験場 松田章氏、「純米酒醸造における我社の品質設計」菊姫(資)山上弘茂人氏、「オゾン殺菌の取り組みについて 」(株)IHI シバウラ 若井一訓氏、また、最近、需要が増えている、しかし、醸造の難しい赤色酵母に関して、「赤色清酒酵母の利用と仕込みにおける注意点」を(公財)日本醸造協会の中原克己氏が、その実地醸造について(株)旭鶴の田中素子氏の紹介があった。その他、「我社の生もと、山廃造り」黄桜(株) 北岡篤士氏、「我社の酒造り~乳酸菌酒母と貴醸酒~ 」笑四季酒造(株)竹島充修氏、「九州地方の酒造り・速醸もとと高温糖化もとでの酒造りの違い・注意点・出品酒と出荷酒の上槽後の管理」と題して(株)福岡県醸造試験所 鈴木正柯氏の講演で閉幕。