第1回 きょうかい酵母・市販清酒勉強会 開催報告

 2012年11月2日(金)に東京・赤レンガ酒造工場(独立行政法人 酒類総合研究所・東京事務所)にて、きょうかい1801号酵母を使用した市販清酒勉強会を開催しました。この勉強会は、きょうかい酵母1801号をお使いいただいている製造場の方々を対象とした、きょうかい酵母による醸造管理と市販清酒についての勉強会です。

 きき酒審査・講師には、

大橋健一様((株)山仁酒店 代表取締役社長・IWC日本酒審査部門最高責任者)

ルイス・ホー様(香港輸出入酒類卸売業・日本清酒文化交流会会長・IWC審査員)

松丸克己様(独立行政法人 酒類総合研究所 品質・安全性研究部門長)

坂本弥生子様(独立行政法人 酒類総合研究所 情報技術支援部門)

をお迎えし、当会からは、石川雄章・岡崎直人・稲橋正明が参加しました。

当勉強会開催には、定員いっぱいの50名から、きょうかい酵母1801号を使用した市販清酒本数54本の申込みがあり、改めて当酵母への関心の高さを感じました。

当日は、1903年(明治36年)旧大蔵省醸造試験所の施設として建てられた赤レンガ酒造工場(現在は独立行政法人 酒類総合研究所・東京事務所の所有)内の旧ボイラー室で講義、原料処理室と1F廊下できき酒を行いました。

プラグラム

13:00 きき酒①

 参加者からご送付いただきました、きょうかい酵母1801号を使用した市販清酒のきき酒です。事前に審査員に行っていただいた官能評価結果(*官能評価項目:色沢・香り(品質、特性、指摘事項)・味(品質、甘辛、特性、指摘事項)・総合評価)と分析結果(*分析項目:酢酸エチル、イソブチルアルコール、酢酸イソアミル、イソアミルアルコール、カプロン酸エチル)をもとに行いました。

審査員の指摘事項や各分析データをもとに実際にご自身で確認でき、また同じ酵母を使用した他社との違いやブレンドでの違いをきき酒できたことは、参加者の方からも非常に参考になったとの声をいただきました。

きき酒を行った市販清酒内訳

使用酵母内訳:1801号単独24本・混合30本

混合方法内訳:酵母13本・酒母9本・製成酒8本

純米酒32本 アル添酒22本

官能評会結果(PDF) 分析結果(PDF)

 

14:15 1801号酵母での市販酒造り

 参加者の中から今回の事前審査により評価の高かった長野県・大信州酒造(株)より田中勝巳(常務取締役 製造部長)様にご講演いただきました。田中様には、製造者の多くの方からよせられる「麹造りで注意している点」「酒母・醪で苦労している点」「醪後半で発酵が止まらないようにするために注意している点」「安定した酒質にするにあたり苦労している点」「酸が少ない酵母だが味をのせるために注意している点」などの質問にお答えいただき、実際に現場で経験されてきたお話しが伺える大変貴重な講演となりました。

 

14:45 1801号酵母Q&A

 事前にお送りいただいておりました参加者からの質問に、当会会長・石川と研究室長・稲橋がお答えし、会場の参加者からもコメントをいただきました。(写真は参加者へお配りした「醪の溶けや発酵の停止/遅れに関して、また醪経過に対する管理方法について」「香りの問題(立ちすぎ・立たない)」「ブレンド仕込みについて」など合計26問に対する回答資料集)

 

1801号酵母 Q&A (PDF)

 

 

15:45 きき酒総評と市販酒の傾向について

 消費者の方とも直接触れ合い、IWC審査員の大橋健一様とルイス・ホー様にご講演いただきました。ルイス様からは、アジアで求められている酒質傾向をお話しいただき、大橋様からは「アルコール添加酒、純米酒双方に非常に辛口に仕上がっているものが多かったが、一方酸味が抑えられて穏やかな感があり、辛口でキレのよいものが多かった」等のご意見やIWCで評価される酒質の傾向などのお話しをお聞きすることができ、製造者のみならず経営者の方にも大変興味深い内容となりました。

 

16:15 きき酒②

 この時間は、今回集まった市販清酒全てを局別に並べ替え銘柄を公開してきき酒を行いました。 目指している酒質や、今後の市販清酒として参考にしたい銘柄を見出すべく、きき酒をする姿が多数見受けられました。

17:00 懇親会

 同会場にて、参加者・講師に加わえ当会職員も参加させていただき懇親会を行いました。お酒はもちろん今回のきょうかい酵母1801号を使用した市販清酒ですので、改めて講師の方にご意見をいただいたり、当酵母を使用し美味しいお酒を造りたいという同じ志を持った参加者同志、真剣に情報交換を行い、横のつながりを大切にしたいという想いが強く伝わってきました。

 

最後に

 半日という限られた時間の中、当酵母の持てる力を充分に引き出し、市販清酒のよりいっそうの品質向上につなげていただく絶好の機会をご提供でき、今後お使いいただく製造場の方にとっても、当酵母の醸造特性をご理解いただけるまたとない機会となる有意義な勉強会となりました。

今回都合で参加いただけなかった方や、開催後に勉強会のことを知った方々から「来年も開催しますか」というお問い合わせを多くいただいていますので、第2回の開催の検討をはじめております。

 

第1回きょうかい酵母・市販清酒勉強会にご参加いただいた方の声

●経験にもとづく話が聞け、説得力があって面白かった

●香りを出すための発酵管理全般について参考になりました

●各社の市販酒のきき酒が大変参考になった

●このような内容の継続的な勉強会があってよいと思います

 


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