福島県ハイテクプラザ 会津若松技術支援センター 高橋 亮

3月
28
2016

福島県ハイテクプラザ 会津若松技術支援センター高橋 亮

ご氏名をお願いします

高橋 亮(たかはし りょう)

現在のご所属

福島県ハイテクプラザ 会津若松技術支援センター(公設試験研究機関)
醸造・食品科 主任研究員(酒類担当)

思い出の醸造物などを一品教えてください

思い出の醸造物:私の杜氏1年目、清酒アカデミーの生徒の皆様と醸した鑑評会出品酒

その理由は

私が配属5年目に酒造関連業務の主担当となり試験醸造でも杜氏を任せていただきました。私どもが講師を務める福島県清酒アカデミー(福島県酒造協同組合主催の技術者養成機関)のカリキュラムのうち「仕込み実習」では生徒たちが実際に当所で大吟醸、純米大吟醸を醸造して県の鑑評会に参考出品します。総米90kg、原料米は余った酒米をかき集めて精米歩合50%、天幕製麹、酒母省略仕込み、実規模と比較するとかなり小さな試験醸造です。ここまで読むと清酒醸造に関わる方なら「鑑評会出品レベルの酒質はまず難しいだろうな」と思うでしょう。当時私も思いました。でも「どうせ造るなら本気で金賞を目指そう!できることは全てやろう!」とハイテクプラザで推奨する福島流吟醸造り理論をすべて実践して生徒たちと醸した酒は大吟醸、純米大吟醸ともに上位で金賞をいただきました。それが私の一つの転機となり、立場は研究者とはいえ研究成果や集めた知識だけでなく、現場で理論を実践するための職人的技術も実習の場で積極的に伝えていこうと決意しました。以降、担当するアカデミー仕込み実習では毎年金賞をいただき「体験仕込み実習」から「鑑評会で金賞を取るための実践的な仕込み実習」へと昇華させることができました。私はもちろん参加したアカデミーの生徒ひとりひとりの自信へとつながり、出品酒を造る蔵の増加やアカデミー卒業後間もない若手杜氏が次々と金賞を取るなど好成績にもつながっていると思います。そして何より自らの造りの中で福島流吟醸造り理論の裏付けがとれたことで経験と実績に基づく説得力のある技術支援を行うことができるようになりました。

ご略歴

S54年 埼玉県鴻巣市生まれ

H16年 東京農業大学 大学院 農学研究科 醸造学専攻 修了

同年 福島県ハイテクプラザ 会津若松技術支援センター配属(酒類担当)

H25年 福島県ハイテクプラザ 産学連携科配属(知的財産・研究契約等担当)

H27年 福島県ハイテクプラザ 会津若松技術支援センター配属(酒類・食品担当)

実家が酒販店で曽祖父が杜氏だったこともあり、自然に東京農大の小泉武夫先生のもとで学びたいという思いが生まれました。大学院へ進み、研究室に求人案内があった現在の仕事を天職だと信じ就きました。

ご趣味

・飲酒:飲むこと以上に造る方も好きです。

・スノーボード:ビックキッカーを跳ぶ緊張感と浮遊感がたまりません。

・スキューバダイビング:呼吸音しか聞こえない蒼く深い海底から輝く海面を眺めると無心になれます。

・スカイダイビング:絶景です。見下ろしで虹を見たときは感動しました。

ご紹介者・佐藤様からのメッセージ

3年前から鑑評会にチャレンジしていますが、その度になんやかんやとご面倒をお掛けしています。福島には世界の鈴木先生もおりますが、これからは高橋先生のご指導で福島の金賞数が益々増えることと思います。その為にまずは峰の雪が金賞をとるまで、ご指導のほどよろしくお願いします。

佐藤様へメッセージを!

ご紹介ありがとうございます。何より励みとなり身が引きしまります。近年、福島県から若手の台頭がメディアでも取り上げられていますが、続く一人は佐藤健信さんだと確信しています。さらなる活躍を祈念します。今後ともよろしくお願いします。

告知などがあればお願いします!

東日本大震災後、福島県は全国の皆様から多くの温かいご支援と応援をいただきました。心より感謝申し上げます。福島県の酒蔵はさらに美味しさに磨きをかけ、皆様が笑顔になれる日本酒を醸して恩返しができればと思っています。私も技術的な支援で酒質向上に貢献できるように邁進いたします。復興に向けて歩み続ける福島県を今後ともよろしくお願いいたします。

最後に今後の抱負や期待することを教えて下さい!

近年、福島県は各蔵の努力が実を結び、全国新酒鑑評会での金賞受賞数3年連続日本一をはじめ、数々の鑑評会で好成績を収めています。さらに出品酒だけでなく市販酒のレベルも向上し続けています。この勢いを維持し、各蔵の非常に個性豊かな清酒がそのコンセプト通りに醸せるようにお手伝いできれば幸いです。

リンク

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