司牡丹酒造株式会社 竹村昭彦

6月
30
2014

司牡丹酒造株式会社竹村昭彦

ご氏名をお願いします

竹村 昭彦 (たけむら あきひこ)

現在のご所属などは?

司牡丹酒造株式会社 代表取締役社長

代表商品

「船中八策」(超辛口・純米酒)

思い出の醸造物or 好きな醸造物or最近はまっている醸造物などを一品

●「司牡丹・食べる酒粕」

●「司牡丹・仁淀ブルー」(純米酒)

その理由やエピソードをぜひ!

●「司牡丹・食べる酒粕」<内容量100g560円(税抜)>

「酒粕ブーム」、「食べる調味料ブーム」、「めし友ブーム」が続いていた平成23年、自社の酒粕を使って、それら3つのブームのクロスする場所に位置づけられる、まったく新しい酒肴を誕生させることができるのではと考え、株式会社土佐清水元気プロジェクトに相談を持ちかけ、何度も試作を繰り返し、同年9月より新発売を開始したのが、「司牡丹・食べる酒粕」です。ご飯のおともに、そしてもちろんお酒のおつまみにも最適です。「司牡丹の酒粕は品質が良いし、また酒粕の健康効果も分かるけど、どうも食べ方が面倒で・・・。」というお客様の声を何度か耳にしていました。何とか、そのままで美味しくいただける酒粕はできないものか・・・。そんな発想から「食べる酒粕」の商品開発は始まりました。酒粕に何を加えればそのままで美味しくなるのか・・・?まずは味噌。そして土佐といえば鰹が有名ですが、そんな鰹よりもさらに旨味成分が多い宗田鰹(ソウダガツオ)を加え、そして出汁に取った時の香りがグンと高い宗田節(ソウダブシ)の出汁も加え、さらに「ちょい辛」のアクセントに柚子胡椒も加えることにより、大人も子供も「これは美味しい!」と絶賛の「食べる酒粕」が誕生したのです。ちなみに宗田鰹を使った宗田節といえば、全国のソバ屋やうどん屋の出汁に絶対に欠かせない原料であり、その宗田節の国内シェアの7080%を占めているのが高知県土佐清水市です。「食べる酒粕」に使われている宗田鰹も宗田節もこの土佐清水産であり、製造を担当いただいたのは土佐清水市の第三セクター株式会社土佐清水元気プロジェクトなのです。そんな宗田鰹と宗田節を使うことにより、酒粕に豊かな旨味が加わり美味しさが倍増し、さらに酒粕をふんだんに使いながら独特の発酵臭もほとんど感じられなくなりましたから、酒粕が苦手な方でも美味しく召し上がっていただけます。お陰様で現在では、全国のお取引先の酒専門店の食品コーナーに欠かせない、人気商材のひとつになっています。我が家にも常に常備し、家族で食卓を囲む際には欠かせない存在となっています。

●「司牡丹・仁淀ブルー」(純米酒)<720ml1,300円(税抜き)>

高知県の仁淀川(によどがわ)は、平成23年7月に国土交通省が発表した「全国165河川2010年水質ランキング」にて第1位を獲得し、「日本一水のきれいな川」と言われています。さらに、平成24年3月のNHK「仁淀川~青の神秘~」という番組の放送以来、その「仁淀ブルー」と呼ばれる神秘的な美しさの青色に、全国に驚きと感動が広がっています。ちなみに司牡丹の仕込水は、この日本一きれいな仁淀川の水系の伏流水なのです。そして「司牡丹・仁淀ブルー」は、艶やかでナチュラルな香りと、爽やかな柑橘類を彷彿とさせるほのかな酸をしのばせた淡麗辛口の味わいは、抜群の爽やかさを感じさせながら、後口は心地良くサラリと切れていきます。心の中に日本一水のきれいな川・仁淀川の神秘的な清流の風景が、まざまざと浮かんくるはずです。また、特に高知県は、柚子やブシュカンや直七などの香酸柑橘類が多く、そんな柑橘類の搾り汁をかけていただく料理も多いのですが、この酒はそんな料理に特に最高の相性を示すため、私自身も食中酒として度々愛飲しています。

思い出の写真

この画像は、平成26年6月8日(日)、高知県四万十町窪川にて、永田農法による「山田錦」の田植え体験&交流会を開催した際の記念写真です。「日本名門酒会」四国地区加盟酒販店のオリジナル活動として、毎年「田植え」「稲刈り」「酒仕込み」「酒搾り」「製品化」「新酒を楽しむ会」と俯瞰的に体験できるよう1年がかりで開催しており、今回の「田植え体験」が7年目の第1弾でした。今回は、四国四県から過去最高の300名を超える方々が集まり、田植えはアッという間に終了し、恒例の「メタセコイアの広場」での交流会(大バーベキュー大会)は、例年以上に大盛り上がりとなりました。当活動のシンボル的存在となっている2本並んだメタセコイアの木は、残念ながら県の土地であるため、次回の稲刈りの際には伐採されてしまっているとのことで、この木とのお別れの記念として、全員で記念写真を撮影したという1枚がこの写真です。フィナーレの餅投げも感動的なものとなり、ご参加者にとっては、もちろん私にとりましても、一生忘れられない思い出の写真となりました。

ご略歴

昭和37年8月11日 高知県高岡郡佐川町生まれ

昭和56年3月 高知学芸高等学校卒業

昭和60年3月 学習院大学経済学部経営学科卒業

昭和60年4月 株式会社ハニー(東京・恵比寿)入社

平成2年6月 司牡丹酒造(株)入社

平成11年3月 司牡丹酒造(株)代表取締役社長就任

趣味

●読書(最近はビジネス書が中心ですが、小説や漫画までオールマイティ。)

●ブログ執筆(平成17年より、ほぼ毎日執筆しており、もはや日課となっています。土佐弁で綴るその無駄に長い文章は、「日本一文字数が多く読みにくいブログ」と一部で揶揄されていますが、現在も懲りずに続いています。)

『老舗日本酒蔵元「司牡丹」社長が語る裏バナシblog「口は幸せのもと!」』

 http://blog.livedoor.jp/tsukasabotan/

●土佐の旬のうまいもの探し(「地酒だけでは地酒の楽しさは伝わらない!」という想いから、平成18年より地元の旬のうまいもの探しを開始し、土佐の旬のうまいものブログ「旬どき・うまいもの自慢会・土佐」をスタートさせ、ほぼ毎月1回更新しています。)

『旬どき・うまいもの自慢会・土佐』

 http://tosa-no-umaimono.cocolog-nifty.com/

ご紹介者・今西様からのメッセージ

竹村さんは400年以上続く名門酒蔵の社長。郷土愛にあふれ、文才があり、しかも人を盛り上げる力が抜群! その姿に大きな刺激を受けています。

これからもお付き合いの程、よろしくお願い致します。

今西様へメッセージを!

今西さんは私よりちょっと年上のはずですが、お酒の会などでの若々しいパワーにはいつも圧倒されています。髪の毛は私の方が多いですが・・・。ご自宅兼酒蔵は、今西書院という国指定の重要文化財で、日本酒発祥の地と豪語する奈良に行くなら、ここを訪ねない訳にはイカンでしょう。ただし私が遊びに行っても入場料を取られましたので、その点はご注意を!・・・と、ギャグで攻めてみましたが、尊敬するアニキである、今西さん!今後とも何とぞ宜しくお願い申し上げます。

最後に今後の抱負や期待することを教えて下さい!

日本時間の昨年58日、2020年の夏期オリンピック開催都市は、IOCにより東京に決定されました。さらに日本時間の昨年124日の深夜、ユネスコが「和食~日本人の伝統的な食文化」を無形文化遺産に登録することを正式に決定しました。そして、この流れをどう捉えるかが、私たち日本酒メーカーにとっても、地酒専門酒販店にとっても、大変重要なことなのではないでしょうか。

今から半世紀ほど前、昭和39年(1964年)開催の「東京オリンピック」あたりから、「日本の洋食化」が進み始めたと言われています。そして私は、2020年の「東京オリンピック」あたりから、「日本の和食回帰」が進み始めると捉えています。否、それはもう既に進み始めていると感じられるのです。今回の「和食」の無形文化遺産登録は、世界中に浸透し続け、絶賛され続けている和食の流れに、さらに拍車をかけることでしょう。そして2020年に向けて日本を訪れる外国人の方々はさらに増え続け、彼らの求めるものは、「本場日本の和食」という流れになり、それが日本国内の潮流となることでしょう。では、この「本場日本の和食」とは、いったいどのようなものなのでしょうか。今回の無形文化遺産登録にあたって日本政府がユネスコに提出した提案書には、「四季や地理的な多様性による様々な食材の利用や、自然の美しさを表した盛りつけなどの特色があり、正月や田植えなどの年中行事と密接に関係する社会的慣習である」ことなどが説明されています。「四季や地理的な多様性」・・・ここが「本場日本の和食」のキモであると言えます。そして、今進みつつある「日本の和食回帰」の流れは、「日本各地の伝統的な食文化回帰」の流れという方向に進んでいくことになるでしょう。ならば、日本各地の47都道府県にとって、この流れは大きなチャンスと捉えることができます。今後は日本全国各地の伝統的な食文化が、「我こそは」と群雄割拠する時代が到来することでしょう。

そしてこの流れは、全国の地酒メーカーにとっても大きなチャンスと捉えることができます。「四季や地理的な多様性」とは、まさに日本酒の最大の特徴であり、さらに地元の旬の食と旬の日本酒ほど、相性の良い「最強タッグ」は他にないのですから。ならば全国の地酒専門酒販店にとりましても同様でしょう。独特の個性を有する地域の伝統的な食と共に楽しむ地酒の美味しさを、世界に向けて発信・伝道する・・・。こういう活動こそが、日本酒復活のノロシとなることでしょう。さらに、当然ながらこの活動は、それぞれの地酒の故郷である地域復活のノロシにもつながっているのです。

しかも、あちこちから日本酒への追い風も吹いています。昨年5月より、内閣官房国家戦略室が「Enjoy Japanese Kokushu」(國酒を楽しもう)プロジェクトを立ち上げ、日本酒(及び焼酎等)を「國酒」と位置付け、日本酒(及び焼酎等)の「海外戦略」や地域活性化のための「酒蔵ツーリズム」などを日本の国家戦略とし、官民一体のオールジャパンで推進中です。そこから、日本酒造組合中央会とANAとのコラボレーションも生まれ、2018年2月まで、4年3ヶ月の長期にわたる提携を通じて、ANAラウンジ(羽田国内・国際、成田、関空)にて3ヶ月ごとに1都道府県の國酒が無料で楽しめるという企画を実施中です。またご存じの通り昨年から今年にかけて、「dancyu」「料理王国」「pen」「Hanako FOR MEN」「一個人」「サライ」等の様々な人気雑誌が「日本酒特集」を掲載しており、巷でも普通に、「最近、日本酒がキテるね」という声を耳にすることが増えてきています。かつての地酒ブームの時代を上回る勢いの、過去に例がないほどのこれほどの追い風を受けて、さらに「東京オリンピック」「和食の無形文化遺産登録」という流れの中で、いま日本酒復活に向けての思い切った活動を展開せずして、一体いつ展開するというのでしょうか!

リンク

司牡丹酒造株式会社ホームページ

タイトルとURLをコピーしました