醸造業界で活躍する方々の「自分のお気に入りの醸造物・それにまつわる思い出」「醸造にかける想い・抱負」等を綴っていただく『いい醸!』。発表いただいた方の紹介により次回のご担当者が決まるため、意外な繋がりも見えるカモ!
 あなたが発表する日も遠くありません。その際はぜひ思いの丈をぶつけてください。

 更新は毎週月曜日・お昼の12時です!


1月 23 2012

夢心酒造株式会社
東海林伸夫

 

ご氏名をお願いします

東海林 伸夫

 

現在のご所属などは?

夢心酒造株式会社 代表取締役社長

 

代表銘柄

「奈良萬」「夢心」

 

思い出の醸造物 or 好きな醸造物 or 最近はまっている醸造物などを
一品教えてください

弊社製品「奈良萬」の原点となった2品
①新潟県・朝日酒造株式会社 久保田 千寿
②山形県・高木酒造株式会社 十四代 本丸

 

その理由やその醸造物にまつわるエピソードをぜひ!

①の「久保田 千寿」は、1995年に会社に戻り挨拶回りで東京の小売店に行ったときに、店主から「これ呑んでみ、今はこんな酒が売れているんだよ。」と渡された1本です。この頃は酒業界に入ったばかりで右も左も知らないときで、まして「久保田」なんて初めて見ました。その「久保田」を家に帰って呑んでビックリしましたね。淡麗辛口という言葉は知っていましたが、最初の感想が「こんなきれいな酒があるとは。うちの酒とは全く違う。」でした。一口呑むとほのかな香り、甘くなく、でも味わいは日本酒の味。呑みこむと口の中がきれいさっぱりなのです。僕が住む喜多方は甘い酒が主流で淡麗な酒を出すと「味が無い」と呑まないようなエリアですから、当然「夢心」もどちらかというと甘い酒でした。

それから「久保田」に興味を持ちだし、会社に電話して値段を聞いたり、朝日酒造の経営方針を調べたりとその後の夢心酒造のコンセプトに大きな影響を与えた1本です。

②の「十四代 本丸」今なら酒業界人なら誰もが知っている酒。

僕と十四代の出会いは雑誌の記事。会社に帰って間もない時に酒が出ている雑誌を見ると必ず掲載されていたのが「十四代」でした。ある日、その「十四代」を呑む機会があって初めて口に含んだときの正直な感想は「甘くて、香りがあっておいしい。でもこの味わいだったらうちにもあるな。鑑評会出品酒と一緒だ!」でした。小売店で2000円前後で売られている酒が夢心酒造の鑑評会出品酒の酒と一緒なのです。その頃の「夢心」は福島県、仙台局、全国でも金賞を取っていましたから決して悪い酒ではないはずなのですが、そのレベルの酒が定番の市販酒として売られているわけですからビックリしました。

機会がある度に十四代を口にしますが、毎回、酒が甘いだけでなく華やかな独特の香りそしてキレの良さと、いつ呑んでもスバラシイ酒です。

この酒もその後の夢心酒造のコンセプトに大きな影響を与えた1本です。

その後、純米酒シリーズ「奈良萬」を発売するにあたり、味わいの方向性を決めるときに、一方は「淡麗辛口」もう一方は「濃醇甘口」と相反するこの2本の酒の味わいをうまく取り入れて「奈良萬」という酒をデビューさせていただきました。僕がこの2種類の酒を呑んで感動したように、いつか誰かが「奈良萬」を呑んで深く感銘する酒を造ってみたいですね。

写真


 

 

 

 

 

 

 

 

2008年に今回紹介して下さった南部美人の久慈さんと思い出の醸造物の十四代の高木さんと一緒にWOWOW「銘酒誕生物語」に出演させて頂いた時のワンシーンです。

 

ご略歴

1968年生まれ
福島県喜多方市出身

喜多方高等学校、青山学院大学を卒業後、プロラボという全くの異業種の写真業界に2年間働き、1995年4月に夢心酒造に入社。

1995年11月に国税庁醸造研究所(現 独立行政法人 酒類総合研究所)の講習生として初めて日本酒の勉強をする。現在に至る。

 

ご趣味

サッカー、写真撮影、おいしいものを食べること

 

ご紹介者・久慈浩介様からのメッセージ

東海林さん、いつもお世話になっています。東日本大震災でおそらく最も長く被害を受けるであろう福島県で、震災にも負けず頑張っている東海林さんに敬意を表します。そんな東海林さんは、「夢心」というブランドの中から、自身の想いや、信念を貫き通したお酒を「奈良萬」として、全国に発信し、大変な評価を受けております。

 

久慈様へメッセージを!

ご紹介ありがとうございます。久慈君は僕が尊敬かつ憧れる蔵元のお一人なのは間違いないですね。営業面、技術面でも教えてもらうばかりですから。
これからも同じチーム東北の一員として背差琢磨してがんばっていきましょう。

 

最後に今後の抱負や期待することを教えて下さい!

今、日本酒の需要は下がっています。まして日本酒を呑んだことが無い若者がいっぱいいます。逆に考えると日本酒を呑んだことが無いのですから、まだまだ若者に対する需要は無限と思っています。業界の総力を結集して若者需要を掘り起こしてみたい。